天皇賞:展望(&思い出)

ってもねぇ。
…もう,デルタブルースが勝ちますから!(笑)
 
昨年,あの怪物に歯が立たなかったのはまだ許せるにしても,得意の長距離戦で見せ場ひとつ作れなかった無様な姿には,本当に失望したものだった。心のなかで「さよなら」を言ったつもりだった…いやココでも書いてるか(笑)*1
しかし…彼はその半年後,南半球最大の競馬の祭典,メルボルンCを制覇。国際G1馬となって,今年再びここに戻ってきた。タイトルホルダーは他に,昨年の二冠馬メイショウサムソンのみ。そのサムソンは,3000mの菊花賞で4着。そして1〜3着馬は不在というメンバーなのだ。
ここで勝たなくて,一体どこで勝つんだ!?
この馬に,上がり33秒台の脚はない。でも3200mなら,強気に自分から動いて,スタミナ勝負に持ち込める。G1馬の意地と,本物のステイヤーの走りを見せてくれ。岩田も「ここは負けられない」くらいの気持ちで,自分の馬が一番強いと信じて乗ってもらいたい。
 
◆◆◆
 
思い起こすは…12年前。
そう,ライスシャワーが2度目に勝った時のことだ。
王者ナリタブライアンが戦線離脱。G1馬は彼1頭だった。しかし…評価は4番人気。
「もう終わった」…競馬の神様,故・大川慶次郎氏は,ライスに印を打たなかった。
 
2周目の3コーナー,坂の手前でライスは先頭に躍り出る。残りは,あと1000m。
場内がざわめく。そのまま直線へ。後続を突き放しにかかるライス。圧勝か…!?
しかし…往年の力は,もう残っていなかった。
ラスト1ハロン,脚が止まったところを,ステージチャンプに猛烈に詰め寄られたところが,ゴールだった。鞍上の蛯名は,思わずガッツポーズをしてしまっていた。
着差ハナ。勝者は…ライスだった。
最後の力を振り絞っての,傷だらけの勝利。
カッコ悪かった。でも,最高にカッコ良かった。
目元が…少しだけ潤んでいた。
 

*1:id:powergodd:20060430