オモテとウラ。

昨日ちょっとマジメな話を書いたら,何かmixiの方でもドラマーのKINが練習の話を書いていて,ちょっとタイムリーというか…!?
で,そのKINの日記にあった“クリックをウラ(2拍4拍)で取る”というやつ。そういう練習法があるのは知っていたけど,実際やったことがなかったので,早速鍵盤でも試してみることに。
最初しばらくは面喰らったけど,意外にすんなり?…ただ,スケール(具体的にはハノン39番)みたいな拍子感の希薄なものになると,指はひっくり返らなくても,アタマの中がひっくり返ってたりするので要注意。まぁこれも,まだ指がちゃんと覚えてなくて,リズムに集中できてないせいもあると思うけど…
 
ついでのことに,この“オモテ”と“ウラ”に関して,もう少し掘り下げてみたい。
自分も昔から,よくTVの歌番組とかで,会場が1拍3拍で手拍子打ってるのとかもう耐えられなくて(でも本当にサイアクなのは,あの付点で「タ〜ン,タ,タ〜ン」とやるやつ。アレを聞くと,もう逃げ出したくなる!)…でも逆に,2拍4拍でやってるのを見ても,どうにもカッコよくない。どこか無理してるというか,ぎこちない感じを受けてしまう。
 
例えばジャズなんかでも,さぞやみんな,2拍4拍で自然に合わせているのだろう…と思いきや,実際にやってる人達は,逆にむしろ1拍3拍のビートを意識していることが多いとも聞くし,学生のころ組んでたバンド(HR/HMですが)に,ベースの凄く上手い先輩がいたのだけど,その人も1拍3拍が大事,と言っていた。案外,こういう話を自分は多く知っている。
さらに言えば,ジャズドラマーのアート・ブレイキー。あの人のソロを聴くと,完全にウラでリズムを取ってるのがわかるけど,正直,タイム感はかなりルーズだ。時折,バンドが苦労してるのが手に取るようにわかる音源もあるし(笑)
 
昨日の話にも通じるかもしれないけど,結局,リズム感の悪い人というのは,オモテだろうがウラだろうが,関係なく悪いものなのだ。そういう人が,ムリにウラでリズムを取ろうとすると,今度は必ずオモテが甘くなる。日本人はオフビートが弱い,と刷り込まれ,いつの間にか「2拍4拍コンプレックス」に陥ってはいないか。
「三,三,七拍子」や,俳句の「五,七,五」などのように,日本人本来のリズム感とは,奇数拍を大切にするものであり,それを引け目に感じることなど,何もないはずなのである。
 
とはいえ“裏クリック”の練習は,非常に有効だと思うし,あの1拍3拍の手拍子は,やっぱり今でも耐えられないのだけど(笑)…ね。