CD review 2

ということで,今日はこちら。
 
『This Woman』LeAnn Rimes
ディス・ウーマン
 
…はい,昨日とは全然違いますね。もーこの節操のなさっぷりときたら。
一時期,個人的に“女性ヴォーカルブーム”だったことがあって,そのきっかけになったのが彼女だった。史上最年少でグラミー新人賞を受賞,流行にはほとほと疎い自分にもその噂は風の便りに伝わり,14歳という若さでカントリーを歌うというのも意外な感じがして,ちょっと聴いてみようとデビューアルバムの『Blue』を買ったのが最初だった。その年齢からは想像もつかないほど堂々とした歌いっぷりは,すでに貫禄すら感じさせるほどで,本当にびっくりしたのを憶えている。
 
そのリアンも22歳。その後の活躍は周知の通りだが,個人的にはちょっと久しぶりに聴く彼女の歌声は,いい意味で変わりなく,さらに自信に満ち溢れ,より力強さを加えたように思える。結婚も経て(実は全然知らなかった…もう3年も前だったのね)歌の内容に,より実感を込めて表現できるようになったというのもあるかもしれない。
 
カントリー系の若手アーティストは,よりコマーシャルな路線を意識してポップ寄りになっていくケースも多いのだけど,これを聴くとやっぱり,彼女の歌唱力を一番引き出せるのは,こういうスタイルの音楽なんじゃないかという気もする。アルバム最後のバラードなんて,もう鳥肌モノだ。これを1テイクで録ったなんて…時に音楽の神様は,人に魔法をかけてくれることがある。
 
もちろんその魔法は,音楽と真摯に向き合ってる人にしか効かないのだけど…