なんちゃって「ラ・フォル・ジュルネ」part3


シューベルト:『全能の神』D852(オーケストラ版)
ジェシー・ノーマン(ソプラノ)
ローレンス・フォスター(指揮)
 
もっと有名な曲は他にいくらでもあるので…せっかくだから,ちょっと変わった(?)ところを。ってかこれ,自分も初めて聴いたんだけど。不勉強でスミマセン…
この曲は,シューベルトの生前,たった一度だけ開かれた,自作曲の演奏会でも演奏されている。曲のタイトルに相応しい,荘厳で宗教的な雰囲気。最後の和音が鳴り止んだ後の残響が,静寂に吸い込まれていくまでの数秒間の,何と美しい…音楽の感動は,こんな一瞬のなかに潜んでいたりする。
 
その「生涯一度のコンサート」は,大成功に終わったと伝えられているが…シューベルトは,自ら指揮や演奏は行わなかったようだ。そして,聴衆のシューベルトを呼ぶ声にも,ついに最後までステージには上がろうとはしなかった。
場を収めるため「シューベルトは来ていません」と告げる司会者。
そして,舞台裏で,ひとり喜びをかみしめるシューベルト
 
ああもう,何てもどかしい!(笑)…でも,こういうヒト大好きです。ワタクシ。
このコンサートからおよそ8か月後,天は無情にも,若きシューベルトの命を奪ってしまう…
でも,それから180年経った今なお,彼の音楽は,世界中で愛され続けている。
野心や成功願望からではなく…「音楽そのもの」を心から愛したシューベルト
きっと,今頃は天国で,ひとり喜びをかみしめているに違いない…