ベーゼンドルファー「身売り…」

「寝耳に水」とは,まさにこのことだ。
やはり現代というのは,何事においても「効率」が最優先される時代なのか…
こういうニュースは,いつ何度聞いても寂しい。ベーゼンドルファーは過去にも経営権の移譲を経験しており,2002年にオーストリアの銀行グループによって再び買い戻されたのだが…それから,わずか5年しか持たなかったことになる。
かのスタインウェイも,1970年代にはCBSに買収されたことがあった。いまのこの時代,本物の高品質なピアノを作り続けることが,いかに大変な商売であるかを物語っているとも言える。
 
それにしてもなぁ。いつかは自分も,なぁんて分不相応な夢を,秘かに抱いたりもしてたんだけど…こうなると,ますます遠い遠い夢になってしまいそうで。現行モデルを含め,中古市場での価格も,今後さらに高騰することになるかもしれない。
売却先の候補には,ヤマハも含まれているということだけど,KAWAI派のワタクシとしては少々複雑な心境(笑)…でも率直に言えば,ヘタなところに持っていかれるよりはずっと良い選択だと思う。
 
Bösendorferの名が,単なるブランド目当てでなく…技術力と,音楽への愛情を持って,心ある形で受け継がれることを願いたい。
あの,暖かなウインナー・トーンとともに…

(一番最後に,そっと,そっと添えられた低音のD…!)
 
プレイリストも作ってます。http://jp.youtube.com/view_play_list?p=E61337228236DA1D
クラシック以外でも,ベーゼンはカッコいい!(後半はショパンですが…)