メジャーとマイナー:その2

♪あかりをつけましょ ぼんぼりに〜
 
って,これも歌詞書いちゃマズイんですかね? 世知辛い世の中になっちまったもんだ。
でもこの歌「♪きょうはたのしいひなまつり」なのに,メロディーは短調なわけで。
…全然関係ないけど,「松竹梅」ってお酒ありますよね。
「♪喜びの酒 松竹梅〜」…そう。これも同じく短調。試しにメジャーに変えて弾いてみると,これがまぁナントモマヌケな。ただの酔っぱらいのオヤジみたいになっちゃう(笑)
喜びを,短調の調べで表現する。
これぞ,日本人のセンス・オブ・わびさびってやつなのかもしれませんね。
 
一方,その逆もまたある。
以前も少し書いたことがあるけれど,例えばシューベルトの最後のソナタ変ロ長調(D 960)…冒頭の穏やかで美しいメロディーのなかに秘められた,深い悲しみとせつなさ…何度聴いても泣けてくる。弾けたらもっといいのだけど…まぁそれは置いといて。
Stevie Wonderにもある。“Never Dreamed You'd Leave in Summer(夏に消えた恋)”C majorという最も汚れのない調にのって,過ぎ去った思い出の日々を切々と歌い上げる。最後はDに転調して“♪Why didn't you stay〜〜〜〜”愛の悲しみを,あえてメジャーで表現するというところにも,天才の片鱗が見てとれる中期の名曲だ。
 
「ひなまつり」にちなんで,ふと思いついたことを書いてみたけど…今日のところはこれにて。
すっかり暖かくて,もう春みたいな陽気でしたね…