閑話休題。

今日は,少し違った視点から。
今回,1次予選での使用ピアノの内訳は,ヤマハ57名,スタインウェイ12名,カワイ3名,ベーゼンドルファー1名。2次予選に残ったのが,ヤマハ22名,スタインウェイ2名,カワイ1名。そしてセミファイナルではスタインウェイ全滅。チェレパノフの熱演もあって,辛うじてカワイが1人だけ残った。
聞くところによると,今回ヤマハは,数十台ものピアノの中から選び抜いた,最高の状態のものを持ってきているそうだ。対してカワイは,ホール備え付けのものなのだとか。てっきり自分は,2000年のショパンコンクールの時のやつを運び込んでるのかと思ったんだけど…それならもっとみんな選んでるよね(笑)
残念ながら,今回は,お金のかけ方が全然違うようだ。ピアニストの耳は正直である。
 
でも一方で,楽器メーカーのあり方としては,そういう特定の場所や,特定のアーティストのために特化した楽器にばかり力を入れるというのも,正直どんなもんだろうか…という気はする。このコンクールで,ヤマハの音がどれだけ素晴らしくても(実際に素晴らしいのだが)…“普通のピアニスト”が,これと同じレベルのヤマハを弾ける機会は,ほとんどないのだから。いつぞやのサントリーホールで聴いたヤマハなんて,悲しいくらい鳴ってなかったぞ…
 
現在,ホールのリサイタルなどで使われるピアノの9割以上が,実にスタインウェイなのである。アクトシティ浜松の中だけに,別世界を作り上げることより…「世界のYAMAHA」には,もっとやるべきことがあるのではないだろうか。
もちろん,KAWAIにも頑張って欲しいんですけどね…(笑)
とりあえず,明日のチェレパノフの演奏に期待しようと思います♪