コンプレックス。

ピアノへの興味が高まってきて,クラシック(といっても圧倒的にピアノ曲ばかりだけど)を最近よく聴くようになってきて…まぁ楽しんではいるんだけど,その一方で,どこかずっとコンプレックスを感じている自分がいる。
もちろん,ピアノは最も万能な楽器の1つで,ジャンルを問わず活躍しているけれども…やはり楽器の歴史,その成り立ちというものを考えていくと,どうしても最後はクラシックを避けては通れない。同じ理屈で,ドラムをやっていれば,いつかは必ずジャズに辿り着く。偉大なロックンロール・ドラマー達も,子供の頃はみんな,スウィングやビッグバンドを聴いて育っているのだから。
 
でも,ジャズドラムが誰にでも叩けるほど簡単ではないのと同様,クラシックピアノのハードルもまた高い。正直,この歳になって目覚めても,どうにもなりそうにない。せいぜい,気に入った曲のなかから,技術的にそれほど難しくない曲をいくつかでも弾けたら…という程度だろう。現代曲を初見でバリバリと弾いていくのなんて,もうどうあがいても絶対にムリだ。
じゃあ,ジャズピアノはどうか。これも正直キツイ。まだクラシックよりはマシな気もするけど,ジャズピアノにはこれまた独特の作法があって…まぁちょっと勉強すればその辺は何とかなるにせよ,即興で気の利いたソロを5分間くらい聴かせる…なんてのも,これまたちょっとムリそうだ。
結局,鍵盤もドラムも,技術的な基礎練習をずっとやってこなかったツケが,ここにきて回ってきているのを痛感させられる。頭の中ではやりたいことが一杯浮かんできても,即座に手が足が,指が動かない。端から見ればそれはただの言い訳にすぎず,実際には“弾けない”“叩けない”のと何ら変わりがない。このもどかしさといったらもう!
 
だからやっぱり,自分が曲がりなりにも,30年以上音楽と接してきた何かを表現できるとしたら…それはやはり,作曲ということになるのだと思う。
子供の頃は,練習してるという感覚は全然なくて,ただ鍵盤と戯れているうちに時間が過ぎていった。周りの同レベルの子たちのなかでは,いつも自分が一番下手だと感じていた。発表会やコンクールの度に,大抵落ち込んでいた。高校の頃には,もうテキストの曲をほとんど弾かず,自分で好きな曲を持って行って,アレンジして弾いてばかりいた。妹がコンクールに出た時に,音作りやアレンジを担当して,入選した時は秘かにうれしかった(笑)
 
どうやら,元々自分は,演奏者,パフォーマー向きではなかったのかも…しれない。
でも…せめてもうちょっと,何とかマシになれないものかと。チョットでいいからさ!