Piano夜話:その4

こんばんは。
相変わらず,言うことを聞いてくれない指にハノンで喝を入れつつ,CDなどで,いろんなピアノのサウンドを聴き比べてみたり。とはいうものの,以前も書いた通り,手持ちのピアノ作品のほとんどがYAMAHAのCFIIISを使っていて,そろそろこの音にもちょっと飽きてきた?…確かに良い音には違いないんだけど,あまりに端正すぎてケチのつけようがないのが,逆に面白くないのかなぁ。
Steinwayの音を油絵(華やかで力強い)にたとえるなら,YAMAHA水墨画(渋い,わびさび系),KAWAIは水彩画(上品な色彩感)という感じだろうか。まぁこのレベルになると,もう良し悪しや優劣ではなく,好みの問題かなという気もする。しかもピアノは,置かれる空間とその音響,調律の仕方,そして演奏の仕方によっても音色が変化する“生き物のような”楽器だ。こうなるともう,“最高のピアノとは”みたいな論争には,ほとんど意味がないようにも思える。
 
ぶっちゃけ,MIDIキーボードと,世界の名器をサンプリングしたソフトウェア音源さえあれば,たとえ4畳半のタコ部屋であっても,1,000万円を優に超すコンサートピアノの音を,それも何台もとっかえひっかえしながら(笑)思う存分味わうことは可能だ。わずか数万円の投資で。もちろん,ご近所から殴り込まれる心配もない。
もちろん,それは“本物のピアノを弾く”のとは,全くの別物だけど。そりゃあもう,サッカーゲームで遊ぶのと,実際に外に出てボールを蹴るのくらい違うというもんだろう。
 
以前ほど,ピアノが売れなくなっているという。国内の生産台数は,最盛期の3分の1以下まで落ち込んでおり,とりわけアップライトピアノは,デジタルピアノにその役目を取って代わられようとしているようだ。
その一方,グランドピアノの売れ行きは,ここ数年逆に好調だとも聞く。
小泉政権下で,格差社会が広がったからだろうか(笑)…いや,それは本質的な理由とは違うだろう。
デジタル技術が進歩して,“そこそこの”アコースティック楽器なら,十分代用が可能になってきているからこそ,本物のアコースティック楽器には,より高いクオリティが求められている…とは考えられないか。
自分はそう思うし,そうであるべきだ,とも思う。
 
せっかくピアノに目覚めた(?)ところでもあるし…これからはもう少し,“生の”音楽,サウンドへのこだわりを強めていきたい。機会があれば,ピアノのコンサートなどにも,もっと足を運んでみようと思ってるところ。
そして,いつかは自分も,Shigeru Kawai,あるいはSteinwayなんか弾けたら…もうムリかな(笑)
とりあえず,デジピくらい買うかなぁ…マスターキーボードにもなるし。