夢の結晶…

今日はシーザリオの快挙にちなんで…先週の関西TV「ドリーム競馬」でも紹介されていた,夢と期待を背負う1頭の仔馬のお話を。
 
http://k-ba.data-hotel.net/cgi-bin/ped/match.pl?fdata=340&mdata=187961
これが,その仔馬の血統。
オグリキャップは今年20歳,その2004年種付頭数,わずか6頭。競走馬時代の栄光と比べると,あまりに淋しい現実である。
この配合を提案したのが,血統研究家の久米裕氏。長年付き合いのあるオーナーから,手持ちの繁殖牝馬につける種牡馬選定を依頼された中の1頭が,この馬の母ワカシラユキ。自身は未勝利に終わったが,その祖母「イチワカ」は,あの悲運の名馬テンポイントの全妹という,オーナーにとっても,また当時からのファンにとっても“夢をつなぐ”血統の持ち主といえる。
VTRでは,その相手候補のリストに,シンボリクリスエスフジキセキトウカイテイオーなどの名もチラっと…しかしオーナーは,その中から敢えて(?)オグリを選んだのだ。
それにしても,そのイチワカから,クリスタルパレス→アラジ→オグリキャップである。何という地味な流れ!(笑)…しかも凄いことに,オグリを受胎した母ワカシラユキを,何とアイルランドの超名門クールモア・スタッドに連れて行き,生まれた仔馬を向こうで育てているというではないか。まぁよくぞ受け入れてくれたもんだと感心する。こんな血統では,門前払いされても不思議じゃないだろうに…
 
順調に行けば,この馬は日本でデビューする予定だという。名目上はアイルランド産のいわゆる“マル外”扱いになるわけだが…何だか奇妙ではある。種牡馬繁殖牝馬が当たり前のように国境を行き交うこの時代,もはや“どこで生まれたか”で差別を設けるのは時代錯誤でしかないと思うが…ともかく,もしこの馬に賭ける人々の情熱が実ったとしたら,こんなに素敵な話はない。
“夢のつづき”は,果たして見られるだろうか…
 
面白いのは,父母とも芦毛なのに,この仔馬は栗毛に出ていること。毛色の遺伝の法則は詳しく知らないのだけど,あの“栗毛の貴公子”と呼ばれたテンポイントと同じ(兄弟の)血が宿っていることを考えたら…ひょっとして!?
サンデーサイレンスみたいなのは例外中の例外。シンボリルドルフトウカイテイオーしかG1馬を出せなかったが,それだけでも十分に種牡馬としての役目は果たしたといえる。オグリキャップだって…1頭,たった1頭でいいのだ。スーパーホースが出てくれれば…
 
いま、再びオグリキャップ―ついに明かされる怪物の真実

いま、再びオグリキャップ―ついに明かされる怪物の真実


かくいう自分も,オグリのレースはビデオでしか見ていない。あのブームをリアルタイムで体験した人にとっては,きっと今なお“特別な存在”であり続けているのだろう…