アジアカップ:イラク,魂の初優勝!

選挙速報一色のなか(笑)決勝のイラク×サウジアラビア戦を見る。
つくづく,ここにブルーのユニフォームの姿がないのが淋しい…なんて感傷に浸るのもつかの間,試合開始直後からイラクの闘志むき出しのプレーに目を奪われる。イーブンボールを激しい当たりで奪い,そのままグイグイと前に出て行く。横パスばかりでちっともボールが前に進まなかった,昨日のしょっぱい試合と比べると,何か忘れかけていたものを思い出させてくれるような…そんな気迫に満ちていた。
結局試合自体は,セットプレイで1-0という,決勝戦らしい堅いものだったが,局面局面での緊迫感溢れる攻防には,本当に見応えがあった。スタンドの声援も,若干イラクびいきだったような気がする。国内は周知の通りサッカーどころではなく,ブラジル人の監督は今大会限りの短期契約。チームの快進撃に沸く首都バグダッドでは,勝利を祝って集まっていた50人以上が爆弾テロの犠牲になったり,はたまた祝砲の流れ弾で死傷者が相次いだり…ファンもまさしく命懸け。そしてその思いを背負った選手たち。アジアチャンピオンに相応しい,勇敢な戦いぶりだった。心から,おめでとうと言いたい。
 
アテネ五輪ベスト4(日本はグループリーグ敗退),アジア大会準優勝,そして今回のアジアカップ初制覇…またひとつ強力なライバルが出現したことを,喜ぶべきか,それとも…
3連覇を狙った優勝候補が,一転して次回大会のシード権を失った。アジアで進化しているのは,自分達だけだと思っていたら,とんでもない大間違いだ。